
本記事では、AWS認定資格であるDVA(デベロッパー-アソシエイト)について、難易度、対策・勉強法から、当日のコツまで紹介します。
これを見れば試験合格までたどり着けるよう、自分の体験をまとめました。
ぜひご覧ください。
- AWS Certified Developer – Associateの対策を知りたい人
- 実務未経験で本試験を受けようと考えている人
試験概要
AWS認定試験の中での位置付け
2022年現在、AWS認定資格は合計11個存在します。
その中で、デベロッパー(アプリ開発)に関する中位(アソシエイト)の資格として位置付けられています。

同じ中位のアソシエイト資格であるSAAと比較すると受験する方の経験領域等にも依存しますが、比較的取得は簡単と言われています。

SAAを取得済みの状態で、会社から部の実績のために取得してくれといわれ、いまいちモチベーションが見当たらない状態での資格勉強となりました(笑)
試験方式
・試験時間 : 130分
・受験料 : 16,500円(税込)
・出題数 : 65問
・回答方法 : 選択式(複数回答有り)
・合格ライン: 72%以上
・受験方法 : テストセンターまたはオンラインでの監督付き試験
試験範囲
<出題範囲>
分野 | 出題比率 |
デプロイ | 22% |
セキュリティ | 26% |
AWSのサービスによる開発 | 30% |
リファクタリング | 10% |
モニタリングとトラブルシューティング | 12% |
<特に理解しておくべきサービス>
分類 | 主なサービス |
サーバ系 | EC2、Lambda、Elastic Bean Stalk |
データベース系 | RDS、Aurora、DynamoDB、ElastiCache |
ストレージ系 | EBS、EFS、S3、Glacier |
ネットワーク系 | Route53、VPC、Direct Connect、API Gateway、 Cloud Front、ELB、ALB |
連携・統合系 | SNS、SQS |
セキュリティ・ ガバナンス系 | Cloud Watch、Cloud Trail、Config、CloudFormation、KMS、 Trusted Advisor、IAM、WAF、Shield |
デベロッパーツール系 | Cloud9、Code Build、CodeCommit、Code Deploy、CodePipeline |
また、出題範囲や試験の例題を通じて試験の概要を確実に掴むため、AWSが公式に提供している以下のサイトは情報は必ず確認しましょう。

>>特にAWS Certified Developer – Associate 試験ガイドとAWS Certified Developer – Associate サンプル問題は必読です。
SAA(ソリューションアーキテクトアソシエイト)との比較&対策方針
出題範囲の重複は存在、DVAの方が特定の分野に出題が偏る傾向
SAAを受験してから年数が経っており、「SAAに出てた〇〇系はDVAでは出題されないな」といった感想を覚えることはできませんでした。
そのため、SAAの問題に出題されるようなサービスは軒並みDVAにも登場するのかもしれませんが、細かいサービス知識を等問題が出るサービスは限定されている印象でした。
一方で、DVAで頻出するなと感じたのは、データベース系、Codeシリーズ(デベロッパーツール系)等の問題です。
やはりアプリ開発の際に使われるサービスは手厚く学習しておくと合格が近いと思います。
対応する教材が少ない
SAAと比べて受験者が少ないためか、対応する教材が少ないです。
対策書籍は、SAAとDVAが一体となった教材等も多く、意外と専用の書籍は少ないです。
とはいえ、同じように対応する教材が少ないSAPとは異なり、試験の難易度がそこまで高くないため、既存の教材に取り組むことで誰でも合格レベルに到達することができます。

逆に迷わず取り組むことができて良いかもしれません!
資格取得のメリット
アプリ開発をメインにしていて、AWSを使う方には業務経験を資格で客観的に補足する良い資格かなと思います!
比較的容易に取得できると言われているため、AWS資格を複数獲得したい方にも良いと思います。
「AWS 〇〇冠!」的なのちょっと憧れますよね。後は転職活動等においても、資格に複数の資格が並んでいることは印象としては良いと思います。

アソシエイト資格の中で特に思いがない方はSAAの受験がおすすめです!しかし、まずは少し易しめの資格から取得したい方にはDVAが良いかなと!
合格のための対策について
資格取得時の経験・スキル
ざっくり以下のような経験・スキルでした。
- 数年前にSAAを取得するもその後AWSにふれる機会なし(業務経験はなし)
- 社会人経験約3年でいずれも基盤系の開発案件のPMOとして従事
- その他IT資格として、基本/応用情報技術者、安全情報確保支援士は取得済み
そのため、業務経験は相変わらずなく、AWSに触れない期間もあったものの、全くの1からの勉強ではありませんでした。
完全初心者の方は少し対策に時間がかかるかもと思いつつ、記事を参考にしてください。
実施概要と学習時間
主な実施事項と、目安の勉強時間を記載します。
私の場合は、研修受講から始まり、1ヶ月強の準備期間で合計約55時間程度勉強しました。(3日間の研修含む。)
資格取得の観点のみで話すのであれば、DVAは、完全に短期間でまとめて学習を行い、合格するのが効率的だと考えています。
項目 | 実施事項 | 所要時間(目安) |
①研修+資料 | 研修受講 数百ページのテキストを2週読了 | 30時間 (研修20時間含む) |
②Udemy | 問題5回分をほぼ2周実施 | 20時間 |
③インターネット情報 | 不明点をブラックベルト、等各資料で学習 | 3時間 |
④模擬試験 | 受験の上、振り返り | 2時間 |
参考までに私の試験までのスケジュールを記載します。
基本的に、「網羅性のある教材からのインプット→Udemyでひたすら問題演習」のシンプルな対策で十分に合格可能です。
- 試験1ヶ月強前出題情報のインプット開始
まずは①研修受講。
研修後は研修資料を基に各サービスの差が分かるよう学習。
- 試験1ヶ月弱前〜問題演習開始
②のUdemy問題集をひたすら繰り返す。
①と③を演習問題の到達度に合わせ、並行して実施。
- 試験一週間前模擬試験実施
結果を受けて、理解が不十分なサービスを中心にラストの追い込み。
今までの学習ノート見返し等も実施。
- 試験当日試験合格
実施事項
ここではひとつひとつ、実際にやったことをお伝えします。
①AWS主催研修:30時間(研修20時間+資料学習10時間)
AWSが主催する「Developing on AWS」という同資格に対応する3日間の研修があり、そちらを受講しました。
※会社の要請を受けて、会社負担にて受講しました。参加費は10万超えのため、資格合格のために参加する必要は全くを以てありません。加えて、最近はリモート開催になってしまい、対面研修よりもどうしてもインタラクティブな感じが薄れてしまっている感じがしました。

ちなみに研修のハンズオンは普段PMOの役割を担い、クラウドは愚か開発環境にもほとんど触れる機会がない私にとっては、難しくて制限時間に終わらないこともしばしば有りました。。。
研修参加後は、同研修で配布される数百ページに及ぶテキストを利用して、各サービスの語句や概要、ベストプラクティス等を学習しました。
SAAではあまり出題されなかったCodeシリーズやAPI系を中心に特に勉強が必要でした。

APIの種類の理解とか苦戦しました、、アプリやコーディング寄りの業務に触れていない方は、要対策です!
また、CICDといった考え方も業務ではオンプレ環境・ウォーターフォール開発に染まっていたため、1からの理解となりました。
資格取得の過程で普段の業務では確実に触れることがないであろう概念に触れられるのは特に若手のうちは貴重な経験だと考えています。
やり方としては、SAAの時と同様、本のように読んでいって分からない所はノートに書き出したり、類似サービスをまとめたりしていました。
会社の経費や施策で同研修を受講できない方は、インプットの軸になる教材として、以下対策本をおすすめします。

今ちょうど私が合格した頃に発売されました。これが発売されるまではDVAに特化した書籍はイマイチのものが多かったのですが、こちらは内容・演習問題の網羅性もあり、丁寧な解説がなされていて良い教材になると思いました!もう少し早く発売してほしかったです!
②Udemyの問題演習:20時間-25時間
私はUdemyの下記講座(問題演習)を使いました。
こちらも日本語で出版されている講座としては唯一です。
>>AWS 認定デベロッパー アソシエイト模擬試験問題集(5回分325問)

問題演習を繰り返すだけでも合格できるというレビューも多数ありました。私もそれを信じて、SAAのときよりも問題演習に比重をかけましたが、試験対策としては正解だと考えています!
取り組み方としては、一周目は読み物として問題と解説をまとめて読んで、知識を深め、二週目から問題演習をしました。
最後のセットだけはとっておき、模擬試験前後のタイミングで初見で通しで回答してみました。

可能であれば、3回やるとかなり定着して良いと思います!3回目をできた1つめのテスセットはかなり理解できていた実感がありました。
⑤模擬試験演習:2時間
下記サイトから20問の過去問を解くことができます。
AWSが公式に提供している数少ない問題のため、直前期に必ず実施することをおすすめします。
やり方は、到達度テストのつもりで、正答率を図る方式を取りました。
事前に〇〇%以下だったら試験を1週間遅らせよう、といった基準を設けておくと確実です。

結果は合格率より少し低めで7割でした。結局直前で追い込んでいくタイプなのかもしれません。。
模擬試験の提供方式が現在の形式になったのは2021年12月です。
私が受験した当時は、有料(2000円)、かつ各問題の正誤がわからず、解説も提供されていませんでした。
そのため、問題のスクリーンショットを取り、わからない問題を調べる作業をしました。
しかも調べてもわからない問題も結構存在し、試験前に不安になった記憶が、、(笑)
今から対策される方はその点、恵まれていますので是非有意義に使ってください。
その他:各サービスを調べる際に役立ったサイト

SAAと同じです!SAA合格ガイドを読んでくれた方は飛ばしてください!
学習を進める中で不明点を調べる上で、役に立ったなと思うサイトを紹介します。
・AWS サービス別資料(通称:ブラックベルト)

各サービスについて、スライド数十枚に及び詳しく解説がなされています。
本試験合格のため、ブラックベルトを読了する必要はなく、あくまで理解しにくいサービスのみ読むといった使い方がおすすめです。また、中には更新日付が古いものもありますので、できる限り新しい情報の資料を確認しましょう。
・AWS各サービスのFAQ(よくある質問)ページ
例:EC2のFAQページ

各サービスの紛らわしい部分や試験の中で回答の根拠になるような特徴が記載されています。
(各対策問題もここを出典に作られていることも多いです。)
こちらも量が多いので、自分の中で理解しにくいサービスのみこのページをパラパラと眺めてみると理解が深まると思います。
・AWS(Amazon Web Service) に関する用語の違い比較表で詳しく説明
個人の方が運営されていて、情報の更新は一部追いついていない部分もありますが、試験の中で出題されがちな各サービスの違いについて、簡潔にまとめられていて、参考になります。
ページ数も多くないので、時間がある時に一気にまとめて確認しておくのも良いと思います。

スキマ時間に確認できるので、通勤時間などにもおすすめです!
参考:AWS提供教材
必須ではありませんが、AWSから公式に提供されている数少ない試験向けのコンテツです。
時間に余裕のある方はこちらに取り組むのも良いと思います。
試験日当日
会場によっては試験中に試験中常時カメラをつける必要があり、かつちょっとした体の向きの変化等でも注意される(しかも日本語対応していない)とことがあるため、試験場所については社内に資格取得者がいれば確認してみると良いと思います。
自宅受験も勿論良いと思います。しかし、私はなんとなくではありますが、受験している適度な緊張感が欲しく会場での受験を選びました。
というわけで、今回もSAA受験時と同様、「銀座CBTS歌舞伎座テストセンター」にて受験しました。

別記事に書いたSAP受験時に利用した「新宿駅前テストセンター」も問題なく利用可能です!
試験結果
試験結果は試験終了後、その場で画面に表示されます。

今回は意外と試験が難しく感じられて、結果画面を見るのに緊張しました、、
手応えとは裏腹に、結果は720点以上合格で904点と余裕を持って合格することができました。
仮に自分の想像と問題が違う場合も、試験時間中は諦めずに取り組むことが重要ですね。

資格の有効期限は3年となっており、SAAなど他AWS認定資格と同様に更新制度があります。
また、プロフェッショナル資格に合格すると同じタイトルのアソシエイト資格の有効期限も受験日から3年間延長されます。
試験を経験した所感・コツ
想定外に考える問題が多く試験時間もフルに使うことに
SAAの時は、時間も余り、今回はそれよりも簡単だと聞いていたのですが、私の体感は違いました。
おそらく私がアプリ領域の経験が少なく親和性が少なかったことも理由としてあります。
しかし、サービスの知識をそのまま回答すれば良い問題が少なく、選択肢を比較する問題が多かった感触が有り巻いた。そのため、2択までは簡単に絞れるものの、そこから確信を持って回答を導くことができませんでした。
結果として得点率は高く、AWSに対する正しい理解をできていたと思いますが、知識ベースで確信を持って回答をしたい方はAWSのドキュメント類に私よりもっと多く目を通すと良いかと思いました。
日本語訳が不自然な場合は英語版を確認して対応可能
SAA同様、試験問題が正しく翻訳されていないことがあり、問題文ないし選択肢が何を意味しているか分からないことがあります。
その際は、英語訳に切り替える事ができますので、そちらを一度確認して対応をおすすめします。

英語が苦手な方も、よくわからない箇所だけ確認すればよいのと、日本語訳がおかしい問題が頻出するわけではないので、そこまで構える必要はありません!
まとめ
いかがだったでしょうか。
AWSを用いて、コーディングをする方にとっては、SAAを受験するよりも、直接的に関わるサービスを学習することができるため、意味があるのではないかと感じています。
ただし、試験の知名度としてはSAAの方が高いため、DVAを取得した暁には、是非SAAの受験もすると良いと思います。DVAの知識をそのままかなり活用できますし、そこまで時間を取らずに合格可能だと思われます。
皆さんの合格を祈って本記事を締めます、ありがとうございました!
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