
本記事では、AWS認定資格であるSAA(ソリューションアーキテクト-アソシエイト)について、難易度、対策・勉強法から、当日のコツまで紹介します。
これを見れば試験合格までたどり着けるよう、自分の体験をまとめました。
ぜひご覧ください。
- AWS Certified Solutions Architect – Associateの対策を知りたい人
- 実務未経験で本試験を受けようと考えている人
試験概要
AWS認定試験の中での位置付け
2022年現在、AWS認定資格は合計11個存在します。
その中で、ITアーキテクト(構築)に関する中位の資格として位置付けられています。

中位に位置付けられることもあり、AWS側が想定する受験対象として、実務経験一年以上等の記載があります。
しかし実際には、AWS認定資格の中で最もオーソドックスな試験となっていて、登竜門的な位置付けをされている印象があります。

転職活動や自己研鑽のためにAWS認定資格を取るならばまずはこちらから取得をおすすめします!
試験方式
・試験時間 : 130分
・受験料 : 16,500円(税込)
・出題数 : 65問
・回答方法 : 選択式(複数回答有り)
・合格ライン: 72%以上
・受験方法 : テストセンターまたはオンラインでの監督付き試験
試験範囲
<出題範囲>
分野 | 出題比率 |
弾力性に優れたアーキテクチャの設計 | 30% |
高性能アーキテクチャの設計 | 28% |
セキュアなアプリケーションとアーキテクチャの設計 | 24% |
コストを最適化したアーキテクチャの設計 | 18% |
<特に理解しておくべきサービス>
分類 | 主なサービス |
サーバ系 | EC2、Lambda、Elastic Bean Stalk |
データベース系 | RDS、Aurora、DynamoDB、ElastiCache |
ストレージ系 | EBS、EFS、S3、Glacier |
ネットワーク系 | Route53、VPC、Direct Connect、API Gateway、 Cloud Front、ELB、ALB |
アナリティクス系 | Kinesis、Redshift |
連携・統合系 | SNS、SQS |
セキュリティ・ ガバナンス系 | Cloud Watch、Cloud Trail、Config、CloudFormation、KMS、 Trusted Advisor、IAM、WAF、Shield |
また、出題範囲や試験の例題を通じて試験の概要を確実に掴むため、AWSが公式に提供している以下のサイトは情報は必ず確認しましょう。

>>特にAWS Certified Solutions Architect – Associate 試験ガイドとAWS Certified Solutions Architect – Associate サンプル問題は必読です。
資格取得のメリット
士業のように特定の業務が可能になるわけでは有りません。
また、合格レベルの実力では当然のことながら、独力でAWSを用いて業務で使用するレベルのITアーキテクチャを構築する等も難しいです。
しかし、「クラウド技術・AWSについて、一通りの概要を理解していること」を認識してもらうには最適な資格だと捉えています。
各大手IT会社も同資格の習得を推進する施策を行なっている印象があり、若手の方や経験の浅い方にとっては、一定の知識量を証明することが可能な貴重な資格です。
※MicrosoftのAzure等も資格制度を導入していますが、それに比べ圧倒的に知名度は高いです。

クラウド技術が急拡大を見せる中、ITの中でも基盤領域に携わる方はとっておいて損はないです!
合格のための対策について
資格取得時の経験・スキル
ざっくり以下のような経験・スキルでした。
- AWSについては触れたことがない状態
- 社会人経験約1年でITシステムの概要を理解
- 基本/応用情報技術者は取得済み
そのため、全くの素人の方でも記載する対策で十分に合格可能です。頑張っていきましょう!
実施概要と学習時間
主な実施事項と、目安の勉強時間を記載します。
AWS未経験の方は、サービス名称を覚えるところから始まるため、ある程度時間がかかることを見込んだ計画を立てることをおすすめします。
項目 | 実施事項 | 所要時間(目安) |
①研修テキスト | 数百ページのテキストを2週読了 | 10-20時間 |
②対策本 | 対策本1冊を2周読了 | 5-10時間 |
③Udemy | 問題2回分を2周実施 | 5-10時間 |
④インターネット情報 | 不明点をブラックベルト等各資料で学習 | 5時間 |
⑤模擬試験 | 受験の上、振り返り | 2時間 |
かなり無計画に取り組みましたが、参考までに私の試験までのスケジュールを記載します。
実際には、問題演習にもっと取り組めばよかったなと思っています。
- 試験一ヶ月半〜出題情報のインプット開始
①研修テキスト、②対策本 中心に並行して進める
- 試験三週間前〜問題演習開始
③に取り組み始める。①②の2周目の終盤も平行
④は随時実施だが、徐々に比率を高める
- 試験一週間前模擬試験実施
結果を受けて、理解が不十分なサービスを中心にラストの追い込み
今までの学習ノート見返し等
- 試験当日試験合格
実施事項
ここではひとつひとつ、実際にやったことをお伝えします。
AWS主催研修テキスト:10-20時間
AWSが主催する「Architecting on AWS」という同資格に対応する3日間の研修があります。
同研修で配布される数百ページに及ぶテキストを利用して、各サービスの語句や概要、ベストプラクティス等を学習しました。
やり方としては、本のように読んでいってわからないところはノートに書き出したり、類似サービスをまとめたりしていました。

高校生の試験勉強を思い出しました(笑)
※こちらは当時の会社の上司が研修に参加していて、入手できたため、使用しました。ない場合は十分に次に紹介する講座や対策本等で代替可能です。
研修についても、非常に高額(法人価格のため10万円超え)のため、資格取得の観点からは、自費で受講する必要は全く有りません。
代わりに、網羅的な講義及び資料が欲しい方はUdemyの以下講座の受講をおすすめします。
>>AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト試験:短期突破講座(300問の演習問題)
価格も2000円程度とお手頃価格です。
※Umedyは不定期でセールを行なっており、その場合は更に安くなります!

AWS公式研修の資料は試験のみを意識しておらず、情報量が多いため、こちらで最初から勉強すればよかったなと若干後悔しております。。
対策本:5-10時間
受験した当時は今ほど参考書も充実しておらず、先輩に借りた以下書籍を使いました。
章ごとに「主要なサービスの概要」と「演習問題」がセットになっており、まとまった時間が取れない方でも学習しやすいです。
ただし、研修テキストをメインにこちらを補助として使ったため、本参考書をインプットのメインにすると情報量が足りないと考えています。
そのため、参考書メインで実施する方は、網羅性が高く、比較的出版年度も新しい以下の書籍をあわせて学習することをおすすめします。

上位資格、AWS SAP(ソリューションアーキテクトプロフェッショナル)の時に同参考書を利用し、問題演習に対する解説の充実ぶりに助けられました。本メインで学習したい方には本当におすすめです。

私が使っていた参考書に近い形式(サービス概要説明+演習問題)です。出版年度が新しく、情報が更新されているため、気になった方は是非。
Udemyの問題演習:5時間-10時間
研修テキストや対策本で一通りの概要のインプットを終えたところで、試験形式になれるべく、問題演習をしました。
私が使ったのはUdemyの下記講座です。(※最新版の同講座を貼り付けておきます。)
>>【2022年版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)
取り組み方としては、一周目はわからない問題も多々あったため、一通り一応回答したのち、解説を読んで間違えたり、自信がなかった問題について、振り返りをしました。

レビューにもありますが、演習問題は本番より難しめです。仮に正答率が悪くても気にする必要はありません。むしろ、チャンスだと思って学習してもらえればと思います。
解説でもわからない語句などをブラックベルト等を使って調べ、理解を深めました。
その上で、二週目に取り組んで、実際に理解できているか確認しました。

問題文を覚えてしまう部分もありますが、それでOKです。当日も同じような切り口の問題が出てくるかもしれません。
また試験期日が近づいてきたことも有り、6回分(合計390問)の演習のうち2回分を2週した程度で終えてしまいました。
確実に一度で合格したい方は、全てやりきるとほぼ間違いなく合格できると思います。
参考までに演習の際の正答率は、一回目は合格よりやや低い程度、二回目は一回目から数日以内に実施して、9割程度だった記憶があります。
模擬試験演習:2時間
下記サイトから20問の過去問を解くことができます。
AWSが公式に提供している数少ない問題のため、直前期に必ず実施することをおすすめします。
やり方は、到達度テストのつもりで、正答率を図る方式を取りました。
事前に〇〇%以下だったら試験を1週間遅らせよう、といった基準を設けておくと確実です。

受験料も安くありませんし。。。
模擬試験の提供方式が現在の形式になったのは2021年12月です。
私が受験した当時は、有料(2000円)、かつ各問題の正誤がわからず、解説も提供されていませんでした。
そのため、問題のスクリーンショットを取り、わからない問題を調べる作業をしました。
しかも調べてもわからない問題も結構存在し、試験前に不安になった記憶が、、(笑)
今から対策される方はその点、恵まれていますので是非有意義に使ってください。
その他:各サービスを調べる際に役立ったサイト
学習を進める中で不明点を調べる上で、役に立ったなと思うサイトを紹介します。
・AWS サービス別資料(通称:ブラックベルト)

各サービスについて、スライド数十枚に及び詳しく解説がなされています。
本試験合格のため、ブラックベルトを読了する必要はなく、あくまで理解しにくいサービスのみ読むといった使い方がおすすめです。また、中には更新日付が古いものもありますので、できる限り新しい情報の資料を確認しましょう。
・AWS各サービスのFAQ(よくある質問)ページ
例:EC2のFAQページ

各サービスの紛らわしい部分や試験の中で回答の根拠になるような特徴が記載されています。
(各対策問題もここを出典に作られていることも多いです。)
こちらも量が多いので、自分の中で理解しにくいサービスのみこのページをパラパラと眺めてみると理解が深まると思います。
・AWS(Amazon Web Service) に関する用語の違い比較表で詳しく説明
個人の方が運営されていて、情報の更新は一部追いついていない部分もありますが、試験の中で出題されがちな各サービスの違いについて、簡潔にまとめられていて、参考になります。
ページ数も多くないので、時間がある時に一気にまとめて確認しておくのも良いと思います。

スキマ時間に確認できるので、通勤時間などにもおすすめです!
試験日当日
会場によっては試験中に試験中常時カメラをつける必要があり、かつちょっとした体の向きの変化等でも注意される(しかも日本語対応していない)といった噂を聞いていました。
そのため、日本語対応がなされていて、対応にも心配のないことが確認できていた「銀座CBTS歌舞伎座テストセンター」にて受験しました。

ちなみに、試験は昼食後眠くならないように午前に受ける派です。
試験結果
試験結果は試験終了後、その場で画面に表示されます。

画面は文字が小さくて素っ気ないですが、忘れずに確認しましょう!
無事に一回目で合格することができました。
資格の有効期限は3年となっており、一応ルール上は更新制度があります。

もう少し得点が取れても良かったかなと思いますが、合格当時は初のAWS資格取得となり嬉しかった記憶があります。
※Retiringの記載は、そ上位資格合格により、資格の有効期限が延長されたためだと思われます。
試験を経験した所感・コツ
突拍子もない問題はほとんど出てこない
本試験はAWS資格試験の登竜門のような位置付けであり、受験者も多いことから、対策の教材も充実しています。そのため、教材のレベルが高く、しっかりと学習することで、資格試験のポイントを抑えることができます。
結果として、私は試験当日に全く見たことないような問題は出題されませんでした。

しっかりと対策を行い、自信を持って試験に向かいましょう!
時間制約は気にしなくて良い
本試験は合計65問で回答時間は130分のため、1問あたり2分以上回答に使うことができます。
また、1問あたりの文字数もそこまで多くなく、かつ即答できる問題も含んでいるため、しっかりと準備をされた方であれば、間違えなく時間が余ります。
そのため、落ち着いて問題に取り組みましょう。
私は、確実に正答だと思う問題の見直し+わからない問題のとき直し等をかなり時間をとって行いましたが、それでも15分程度残して試験を終了した記憶があります。
日本語訳が不自然な場合は英語版を確認して対応可能
こちらも広く知れ渡っていることですが、試験問題が正しく翻訳されていないことがあり、問題文ないし選択肢が何を意味しているか分からないことがあります。
その際は、英語訳に切り替える事ができますので、そちらを一度確認して対応をおすすめします。

英語が苦手な方も、よくわからない箇所だけ確認すればよいのと、日本語訳がおかしい問題が頻出するわけではないので、そこまで構える必要はありません!
まとめ
いかがだったでしょうか。
紹介したUmedyや対策本を教材に着実に学習を行うことで、比較的短期間にて合格できる資格だと考えています。
また、個人的には、本資格を取得する過程で、ITインフラに関する知識やアーキテクトの概要を掴むことができたことが大きな収穫でした。そのため、IT業界関係者であれば、クラウドの使用有無に限らず、学習する価値はありますので、是非、参考にしてみてください。
皆さんの試験合格をお祈りしています!
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